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採用がうまくいかないのは、“企業がモテていない”から

はじめに

「採用活動をしても応募が来ない」「面接に来ても辞退が多い」「入社しても定着しない」ーーこんな悩みを抱える企業は非常に多くなっています。これらの課題を単に“母集団が少ない”や“求人媒体が合っていない”などの表面的な要因だけで捉えてしまうと、同じパターンを繰り返してしまいがちです。
実は、採用がうまく進めない根本原因のひとつが、「企業が“モテていない”=求職者・応募者から魅力的に映っていない」という構造です。求人票を出す、面接をする、といった“手続き”は行われていても、そもそも「この企業で働きたい」と思われる魅力・理由が明確でなければ、応募・定着・活躍に至りません。
本記事では、なぜ「企業がモテていない」状態が採用活動の足かせになるのか、そして「モテる企業」になるために押さえるべき視点や実践ステップを整理します。


1.なぜ“企業がモテていない”ことが採用に直結するのか?背景と課題

まず、採用において「企業がモテていない」状態がどういう意味を持ち、なぜその状態が採用成功を阻むのかを整理します。

  • 多くの求職者が「給与・待遇・福利厚生」以外に、企業の存在意義・価値観・働き方・文化・成長機会を重視するようになっています。つまり、働く先に“意味”や“共感”を求めているのです。
  • 企業側も“採用活動”=求人を出して応募を待つ”という受け身の設計になってしまいがちであり、求職者から「この企業を選びたい/応募したい」という魅力が伝わっていない場合、採用市場で存在感を持ちづらい状況になります。
  • 結果として、求人への応募量が少ない、応募しても辞退が多い、入社しても定着しないといった「採用母集団・質・定着率」の課題が顕在化します。
    このように「企業がモテていない=働き手に魅力として映っていない」状況は、採用活動の構造的なボトルネックとなり得るのです。

2.“モテる企業”が増えている3つの要素

では、求職者から「この会社で働きたい」と思われる“モテる企業”が持っている共通の要素を整理します。

要素①:価値/ミッション・文化が明確で共感される

モテる企業は、「なぜこの会社を存在させているのか」「どんな価値を社会・顧客・社員に提供したいのか」というミッションや文化が言語化・発信されており、求職者が「自分もこの価値観に共感できる」と思える構造があります。
この共感が、応募動機・定着意欲・活動意欲を高めます。

要素②:働き手が“選ばれる理由”を持っている/伝えている

働く側から見た時に、「この会社で働くことで何が得られるか」「この会社を選ぶ意味は何か」が明確になっている企業ほど、魅力的です。例えば成長機会・キャリアパス・人間関係・働き方・仕事の意義など。
この“選ばれる理由”が求職者の選択肢の中で浮き上がっているかどうかが、モテる/モテないの差になります。

要素③:社内外でのブランド・評判・体験が整っている

モテる企業は、実際に社員・元社員・求職者・取引先などが「この会社、いいよね」「働いてて楽しい/成長できる」というポジティブな声を発信していることが多いです。求人票・面接・採用説明会・社内の雰囲気・社外の評判など、接点が整っており、求職者がその企業の“本気度・魅力度”を肌で感じやすい構造になっています。


3.“モテる企業”になるための4ステップ

それでは、実際に「企業がモテる」状態を作るためのステップをご紹介します。

ステップ①:自社の魅力・価値を整理する

  • 自社のミッション・ビジョン・文化・働き方を改めて言語化。
  • 社員・元社員・取引先の声を聞き、「この会社で働いてよかったこと」「この会社に魅力を感じる理由」を整理。
  • 求職者の視点で「この会社を選ぶ意味は何か?」を定義。

ステップ②:求職者に響くメッセージ・ストーリーを設計する

  • ペルソナ設計:採用したい人材像(年齢/職種/経験/価値観)を明確に。
  • その人が「この会社で働くことで自分がどう変わるか」「この会社に所属することで何を実感できるか」を設計。
  • 求人票・採用サイト・説明会・面接で伝えるメッセージを、上記ストーリーに紐づけて統一。

ステップ③:接点・体験・ブランドを整える

  • 求人票・採用サイト・SNS・説明会・面接の体験が、整理した魅力・ストーリーと整合しているかをチェック。
  • 社員インタビュー・社風紹介・働き方紹介・成功体験紹介など、求職者が“この会社で働く未来”を想像できる素材を設備。
  • 社内・社外での評判を醸成するため、社員紹介・働きがい・社内イベント・口コミ・レビューなどを活用。

ステップ④:改善・定着・拡張の仕組みを作る

  • KPI設計:応募数・面接辞退率・内定辞退率・入社初年度離職率・社員満足度・社員紹介率などを設定。
  • 定期レビュー:定着できている人材が入った会社の魅力要因・辞めた人材がいた会社の課題を分析。
  • 成功パターンを明らかにし、そのモデルを求人・採用プロセス・社内施策に展開。
  • 社内文化・働きがい・社員の声を継続的に発信し、「モテる企業」というブランドを育てる。

4.まとめ

採用がうまくいかないと感じる企業は、まず「母集団が少ない」「求人媒体が合っていない」などの手段的な原因ではなく、「企業がモテていない=求職者から魅力と思われていない」構造を問い直しすことが重要です。
求職者に「この会社で働きたい」「この会社なら活躍できそうだ」という思いを抱いてもらえる企業になるためには、ミッション・価値観・働き方を言語化し、働き手にとっての“選ばれる理由”を設計し、そしてそれを接点・体験・ブランドとして整えていく必要があります。
本記事でご紹介したステップをひとつずつ実行し、ぜひ「モテる企業=働き手が集まり、定着し、活躍する企業」への変革を図ってください。


執筆:株式会社SHIKI JAPAN 取締役 / COO 瀬戸郁哉
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